ロレックス・サブマリーナ116613LB、オメガ・プラネットオーシャンほか。


| ”買ってはいけない高級機械式腕時計”には「それなり」の理由があった |
さて、ウォッチファインダーが「買ってはいけない腕時計5選」なる動画を公開。

この動画で取り上げられているのは「ロレックス・サブマリーナ116613LB」「オメガ・シーマスター・プラネットオーシャン215.30.46.51.01.002」「ブライトリング・ナビタイマーA23322」「チューダー・ヘリテージ・ブラックベイ79230N」「ブレゲ・タイプXX 3820ST/H2/9W6」。

いずれも人気が高いモデルのように思えますが、ここでその理由を見てみましょう。
ロレックス・サブマリーナ116613LB(1,487,200円)
まずはロレックス・サブマリーナ11613LB。

サブマリーナのコンビモデル、そしてブルーベゼル/ブルーダイアルモデルです。

ロレックス・サブマリーナというと人気モデルなのになぜ?というところですが、それは「資産価値が高くないから」。

これはもちろん「ステンレススティール製のサブマリーナに比較して」ということだと思われますが、たしかにデイトナ然り、スポーツモデル(スポロレ)のコンビのリセールと相場はイマイチ。

この理由としては「スポーツモデルは実用モデルなので、コンビモデルはその本来の目的とマッチしない」ということがあるのかも。

加えて、サブマリーナやデイトナのコンビモデルを身に着けている人を見ると「ステンレスモデルに手が届かず、コンビモデルで妥協したんだな・・・」もしくは「お金を持っているだけの人が”あ?サブマリーナっつうヤツ買っとけばいいんやろ?これか?この派手なのにしたろ”という感じで買ったんじゃないか」と思うことがあり、そういった観点からも、ぼくもやはり「ロレックスのスポーツモデルにおいてコンビはおすすめできない」とも考えています(たしかにステンレスモデルに比べて割安なので、”買うか”という誘惑には駆られてしまう)。

加えて、ロレックスのコンビモデルを購入するのであれば、その性格にマッチした「デイトジャスト」のコンビモデル(1,398,100円)を買ったほうがよほどスマートなんじゃないかとも思います。
オメガ・シーマスター・プラネットオーシャン215.30.46.51.01.002(1,012,000円)
オメガ・シーマスター・ダイバー300Mは非常に高い評価を得ていますが、ウォッチファインダーではこの「プラネットオーシャン」のクロノグラフについては「買わないほうがいい」とコメント。

これについては「割高」だと捉えているようで、クロノグラフではない3針モデルのプラネットオーシャン(792,000円)に比較しても高く、ロレックス・サブマリーナデイトの943,800円よりも高価。

ダイバーズウォッチには不要なクロノグラフがついていて価格が高くなっている、ということが低評価につながっているのだと思われ、ダイバーズウォッチを買うのであればシーマスター・ダイバー300M(572,000円~)、クロノグラフを買うのであればスピードマスター・プロフェッショナル(704,000円~)のほうがずっと良いだろう、とも思います。
ブライトリング・ナビタイマーA23322
こちらはすでに生産終了品ですが、流通量が多く「オークションサイトにも大量に出品されており、価値を維持できない」ということを指摘。

ムーブメントは自社製ではなくETA社製なので、そこも「機械式腕時計として」高い評価を得られない部分なのかもしれませんね。
ただ、経験上ではありますが、ブライトリングの腕時計は「中古になると価格が下がるが、多くの人から支持されているので、一定以下の価格には下がりにくい」傾向があると考えています。

よって、割安な中古を拾うのは非常に賢い選択だと考えていますし、現在ブライトリングは日本市場においても価値を高めるべく様々な施策を取っているので、長期的に見ると「悪くない選択」なんだろうな、とも思います。

チューダー・ヘリテージ・ブラックベイ79230N(376,200円)
チューダーはご存知ロレックスのディフュージョンブランドですが、よくも悪くもそこが問題だと指摘。

品質面ではロレックスの恩恵を受けるものの、ブランドイメージ的には「ロレックスの代替品」的印象が強く、ウォッチファインダーでは「購入後に後悔することになるだろう」とコメント。

けして悪い腕時計ではなく、むしろ価格を考慮すると非常にコストパフォーマンスの高い腕時計ではあるものの、つねに「ロレックスの弟分」という影がつきまとうのでしょうね。
なお、チューダーはかつて並行輸入にて日本市場へ入ってきた際には「チュードル」と呼ばれており、当時いずれのメディアも「ロレックスの廉価版」的紹介をしていたので、「安物」イメージが付いてしまったのはまさに災難としかいいようがありません。

そういったこともあって、今回正規輸入を開始するにあたってイメージを一新したく「チューダー」という呼称に改めたのだと思われますが、加えて(正規輸入開始前から)ブラックケースやリベット採用ベルト、ファブリックベルトの採用、独自デザインの針など「けしてロレックスの廉価版ではなく、ひとつの独立したブランド」ということを視覚的にもアピール中。

つまり、その「呪縛」をもっとも強く感じているのはチューダー自身であり、それから逃れようともがいている最中だということになりそうです。

ただ、ロレックスと関連付けられて良かったこともあり、それは「中古相場」。

ロレックスのスポーツモデルは異常とも言える高い相場を形成していますが、それに引っ張られる形でチューダー(ブラックベイ)の価格も高止まりしており、プレミア価格とならないまでも、定価よりちょっと下を維持しているケースが多く、リセールとしては比較的優れるのかもしれません。

ブレゲ・タイプXX 3820ST/H2/9W6
最後はブレゲ「タイプXX(トゥエンティ) 3820ST/H2/9W6」。

ブレゲは高い技術を持つ腕時計メーカーとしても知られ、ウォッチファインダーもこの腕時計について「技術的に優れている」と評価しており、しかし「構造が複雑過ぎる」ということを指摘。※「3820」は終売となっているようで、3800だとその価格は1,122,000円

そして複雑さに起因する問題としては「メンテナンスコストが高すぎる」。

機械式腕時計は一定期間使用した後は分解清掃などメンテナンスを行うことが好ましく、しかしこのブレゲの腕時計はその費用が非常に高額である、と述べています。

たしかに一部の複雑時計はそのオーバーホール費用が非常に高額なのは間違いなく、以前にブルガリ・オクト「クアドリレトロ」を購入しようとしたとき、お店の人が「一応言っておきますが、オーバーホールはこの位かかりますよ」と提示してくれた額があまりに高価であったため、即座に購入を取りやめたということがあるほど。

ブレゲの腕時計は中古になるとかなり割安になるものの、その影には「メンテナンスが割高」で購入を敬遠する人が多いという理由があるのかもしれませんね。

以上、「買うべきではない」腕時計5本でしたが、まとめると「ブランド名だけで選ばない」「余計な構造やギミックがあるものは避ける」「ほかに代替選択肢があるような腕時計は買わない」「スノッブすぎる腕時計はよろしくない」といったところなのかも。

https://www.aimaye.com/
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